紙芝居『たびマルコ』を絵本に

ふれあい体験と合わせて読み聞かせをする

紙芝居『たびマルコ』を絵本にして届けたい!

というクラウドファンディングに挑戦いたしました!

ご支援159%達成、318,000円のご支援をいただき

絵本化いたしました

たくさんのご支援をいただきましてありがとうございます!

ここに全文掲載させていただきます。


たびマルコ

やまにかこまれたぼくじょうに 1とうの お馬さんがおりました

 

とってもちいさなお馬さんで

なまえは マルコといいます

 

あるひ みんなでかけっこをしていると

いじわるな馬 ズーニーとホッピーが

マルコくんをみて いいました

「マルコは なんでそんなに あしがおそいんだ?

さきにいっちゃうよ〜 ひひーん!」

馬たちは どんどんマルコくんを おいぬいていきます

 

「ぼくだって いっしょうけんめい はしってるんだ」

 

「マルコは ほんとうに馬なのかい?へんてこだな!ひひーん!」

ズーニーとホッピーは マルコくんをわらいながら

はしっていきました

 

そのよる ほしぞらのしたで マルコくんは

しくしく なきながら いいました

「ねえ おほしさま なんでぼくはこんなに あしがおそいの?」

 

すると ほしたちが

「べつに おそくたっていいじゃないか そんなに あしがおそいのが いやなの?」

「いやだよ もっとみんなみたいに はやくはしれるように なりたいんだ」

 

「そうだ!ながれぼしに おねがいしてみたら?

 3かい いえたら ねがいがかなうんだよ」

「そうなの!?」

マルコくんと ほしたちが おはなし していると・・・

おおきくひかりかがやく ながれぼしがとんできたのです

 

マルコくんはあわてて ねがいごとをいいました!

「あしをはやく あしをはやく ああっ!」

 

 

ながれぼしは あっというまに 

とおくのそらに とんでいってしまいました

「3かい いえなかった」

マルコくんが がっかりしていたそのときです!

きらきらきらーん!と

あたりがひかりだし

マルコくんは おおきなひかりに のみこまれてしまいました

 

「うわーーーーーー!!」

「まえがみえないよー」

 

ひかりがおさまり

 

めをあけると・・・

 

なんと マルコくんは たっていたのです!

「ぼく たってるぞ!

もしかして はやく はしれるようになったのかなあ」

 

と そこに・・・

 

シャンシャンシャンシャンプップップ

 

 

どこからか たのしげなおんがくが きこえてきました

シャンシャンシャンシャンプップップ

どうやら もりのなかから きこえてくるようです

「あのおとは なんだろう?」

マルコくんは もりのおくへ すすんでいきました

 

すると

 

がさがさっ!

と くさむらから

 

おおきなかげが あらわれました!

それは おおきなライオンだったのです!

 

ライオンは ゆーっくりと ちかづいてきます

 

つぎのしゅんかん

「がおーーーーーー!」

 

と マルコくんめがけて とびかかってきたのです!

 

「ぎゃーーーー!たすけてーーーー!」

マルコくんは おおあわてで はしりだしました!

 

しかし やっぱり はやく はしることができません!

 

うしろをふりかえると

「がおーーーー!」

ライオンが いまにも おいつきそうです!

「うわーーーーー!」

 

もうだめだとおもった そのとき!

 

とつぜん ライオンから どんどんはなれていきました 

したを みると ほそいなにかに のっていたのです 

 

「わっ!おっとっとっと!」

 

あしもとは ぐねぐねと うごきだし

 

すべりおちてしまいました

 

「ぱおーーん!はなのうえに なにかいるとおもったら 

 ちいさなお馬さんがすべってきたぞう」

マルコくんがすべりおりたてきたのは

ビッグパオーンの はなだったのです

 

「すっごくながい おはなだね」

「そうだぞう なが〜いはなは ぼくのじまんなんだ」

 

すると うしろから

 

あの たのしげな おんがくが きこえてきたのです!

 

シャンシャンシャンシャンプップップ

ふりかえると そこには

つめのながいとら ぱんだみたいなごりら など 

たくさんのどうぶつたちがいました

 

「なんだか みんなへんてこだね」

 

マルコくんがそういうと

「へんてこなのがおかしいかい?

わたしたちは たくさんのひとを笑顔にする たびをしているんだよ」

ふくろうのフックさんがいいました

 

 

「たくさんのひとを笑顔にする たび?」

 

 

「そうさ!みんなへんてこどうぶつの!たのしいたのしいサーカスだんだ!」

 

マルコくんの めのまえで へんてこなどうぶつたちは 

とってもとってもとーっても!

たのしそうにサーカスの れんしゅうをしています

 

「ほらほら きみも!ぼくらといっしょに なにかやろうよ!」

 

「えっ?ぼくにはなにもできないよ 

 

 ぼくは馬なのに あしがおそくて みんなにわらわれているんだ」

 

「あしがおそいのが どうした」

と フックさんが マルコくんをつかんで

そらたかく まいあがったのです!

 

「なにするんだよ!こわいよ!おろしてよ!」

マルコくんは おおごえでさけびました!

 

「さっきビッグパオーンの はなのうえを

 じょうずにのっている きみをみたぞ

 

 さあ!この つなを わたってごらん?」

 

「おっとっとっと!わあ!ぼく つなのうえを あるけるよ!」

へんてこなどうぶつたちは マルコくんをみて

 

「すごいぞ!すごいぞ!つなわたりする お馬さんだ!」

とおおさわぎ

 

フックさんは にっこりわらって

「へんてこだって だれだって かがやけるところが ぜったいにあるんだよ」

 

マルコくんは とってもうれしくなりました。

 

「ぼくもサーカスやってみたい」

「さんせーい!」

 

へんてこなどうぶつたちは おおよろこびしました

わいわいがやがや!

へんてこなどうぶつたちの たのしいたのしいサーカスだんは だいにんき!

 

つなわたりが とくいなマルコくんは 

あっというまに にんきものになりました!

たくさんの笑顔にかこまれて とってもしあわせなマルコくん

かがやけるところをみつけ

あしがおそいことなんて すっかり わすれているようですね

 

こうして たのしいなかまたちと たびに でることになったマルコくん

たびマルコは きょうもどこかで だれかを笑顔にしています